人工地震ってどうやるの?


地震が起きた時にtwitterをみていると、一定数「人工地震」をうったえる方々がいます。

今日はその人工地震について簡単にまとめてみます。

 

【そもそも人工的に地震が起こせるのか】

Yes or Noで答えるという下品な質問に答えるのであればYesです。

軽々に陰謀論をとくのが目的の人は、文字を読む能力がこの辺で限界だと思いますので、どうぞお引き取りください。お疲れ様でした。こんなに文字が読めてすごいですね。

【人工地震の起こし方】

人工地震の起こし方は基本、「地下深くに液体を注入して、断層の滑りをよくする」という方法です。

いろいろな研究がありますが、ちょっと検索するとでてきたのがこんな感じの研究です。

https://www.latimes.com/visuals/graphics/la-me-quake-frack-20150423-htmlstory.html

起点は確か1960年代だったと思います。

米国の軍の研究施設で使用した化学薬品を地下深くに流していたところ、なぜかその一帯で群発地震がおきはじめ、それを止めたところ地震がピタッと止まったとのこと。

大学の地震学の授業で配られたレジュメを見て結構衝撃的でした。

へー、それで地震起こせるんだー、と。

しかし、ここで重要なのは、事実をありのままに見ることです。

「化学薬品を地下深くに流し込んだことと、群発地震が起きたことはどうやら相関がある」ということだけです。

それで断層の滑りが良くなったかどうかは様々な実験がなされておりますので確度は高いですが、それでも全ての状況においてそれが再現できるとは限らないということです。

【いちばんの問題は「制御」】

仮に、断層の滑りを良くして、地震を起こすとします。

すると、地震が起こるかもしれません。が起こらないかもしれません。

例えば、すでにそのあたりで地下水が豊富にあるのであれば、多少水を注入したところでまさに「焼け石に水」です。

人工地震云々を言う輩がその理由としてあげるのは、その時の権力者が隠したいニュースが出そうな時に、それを地震のニュースで潰す、というロジックです。

しかし、それが欲しいタイミングでピンポイントでやるなんてことはできないわけです。

逆に、細かい地震をたくさん起こしておいてひずみを解消し、巨大地震にならないようにするということもできないわけです。ひょうっとすると、それがきっかけに巨大地震になるかもしれないからです。

 

【核爆弾で人工地震?】

これは幾ら何でも科学屋をナメすぎです。

何万光年も先の星から届く電磁波を解析して、その星の成分を分析したりできるのに、核爆弾による振動の波形と自然地震の振動の波形との区別がつかないはずがありません。

陰謀論者からすれば公的機関の地震波の記録自体を改ざんしてると言うのかもしれませんが、さすがに米国や中国、ロシアの観測所の地震波の記録を改竄できるとは到底思えません。

 

 

HAARPで人工地震?】

もともと、人工地震とかいうパワーワードの起点はこれかと思います。

HAARPとは何かを調べてみると、High Frequency Active Auroral Research Programの略称。

まぁ字面から想像できる範囲としては電離圏を詳しく解析したり、電磁波照射して電離圏に干渉してみたりする研究かな、という感じですね。

干渉させるとすれば強烈な電磁波ですので、確かに軍事目的にも使えそうです。

例えば敵国の通信網を機能させないようにするとか、

例えば敵国から飛んでくるミサイルの制御装置を破壊するとか。

で、トンデモ論はここから発展させます。

かれらの理論としては

・電離圏に照射した低周波の電磁波は、電離圏で反射して地球を貫くので、断層にピンポイントで反射させれば地震が起こせる

というものです。

確かに、地震学の専門家にも、活断層が動くきっかけとして宇宙からの電磁波を挙げる人もおります。

もちろん、それもきっかけの一つではあるでしょう。

統計を取ると、宇宙から地表まで遮るものがない、すなわち晴れの日に地震が多いという人もいました。データを見る限り、「うーんバラツキの範囲じゃないの?」という感じもしましたが。

ただ、彼の説は低周波(=長波長)の電磁波ではなくて全く逆だったかと思います。

可能性として0ではありません。が、可能性を挙げるとキリがありません。

ひょっとすると、あなたが今、椅子にドスンと座ったその衝撃が断層をずらす最後の一手になるかもしれないわけです。

100万歩譲って、それなりに有意な効果があるとして、結局のところこれもピンポイントで予定した日時に地震を起こせるような制御できるものではありません。

 

HAARP説を唱える人に共通した特徴】

この話に限ったものではないですが、すわ理系的なこととなると「自分は専門家ではありませんが」と前置きして話す人が非常に多いように思えます。

べつに専門家じゃなきゃ口を出すなとは言いません。発言する前に最低限専門書の一冊くらい読んどけ、とも言いません。間違った発言をするな、とも言いません。

ただ、発言した後にどうも間違っていたことがわかったら「ごめんなさい」しましょう。


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