ローカルカルトという言葉をご存知でしょうか?
カルトといえば、思い浮かぶ宗教がいくつかあると思います。
が、みなさんが想像するような大きなものではなく、「ローカルカルト」と呼ばれる集団をご存知でしょうか。
ググったらあまりこの言葉は出てこないので、一般的な用語ではないのかもしれません。
パワーストーン屋をやっていると、よくこういう一団がご来店になります。
だいたいは中高年の女性が数人のお弟子さんというか、生徒さんを引き連れてご来店なさいます。
そしてだいたい石に対して手かざしをはじめて、「ああ、あったかい」とか「ビリビリ感じる」とか言い出したらだいたいローカルカルトだと認定しておりました。
私の店ではそのまま略してコードネーム「LC」と呼んでおりました。
<ローカルカルトはいいお客さんにはなりにくい>
パワーストーン屋的には石を買ってくれる以上、大切なお客様です。
が、ローカルカルトな方々が小売客として定着したことはほとんどありません。
なぜかというと、彼らは教祖さんの言うことを絶対に信頼しますので、店の言うことと食い違うと、途端にアンチになるからです。
こういうローカルカルトの教祖さんと石について話をしたことは何度もありますが、はっきり申しましてちゃんとした知識を持った人に出会ったことは一度もありません。
パワーがどうとか、波動がどうとかという中二設定の話は思想信条の自由ですので好きにすればいいのですが、一般的な石の知識、本物とイミテーションの見分け方なんかはネットのヨタ記事をそのまま盲信しているだけです。
専門書の一冊すら読んでない方がほとんどでした。
ですので、だいたい教祖さんと私の言うことに食い違いが出てしまい、結局どんだけ私が客観的な話をしても信じてもらえないのです。
ですので、パワーストーン屋さんをやる方は、ローカルカルトは基本的に相手にしないのが吉です。
積極的に相手にするのであれば自分がそこの教祖の座を奪う勢いでやりましょう。
<ローカルカルトは儲けられるか>
ローカルカルトというのはうまくやれば相当収益性の高い商売です。
若干記憶があやふやな点はありますが、以前、宗教をビジネスとして考えて分析された方の書籍を読んだことがあります。
今は巨大な宗教でも、最初は教祖一人からはじまったわけです。
そこで信者数が50人くらいの規模になるまでは、相当搾り取ってもうまくいく場合が多い。
しかし、信者1万人を超える宗教になると、だいたい収入の10%を超える金額を搾取する宗教は滅びていくことが歴史的に証明されているようです。
しかし、そこまで増えれば、10%の搾取でも相当な金額になりますから余計な欲さえ出さなければ運営は比較的楽です。
そのため、信者50人から1万人の間が苦しいゾーンになります。
あまり搾取しすぎると信者が離れていきますし、信者の管理や布教活動諸々の経費のバランスが一番悪いのがこのゾーン。
ここさえ超えてしまい、あとは搾取率10%以内に抑えてしまえばその宗教は安定する場合が多いとのこと。
私と珍しく懇意にしていたローカルカルトの教祖さんは、言っておりました。
弟子の数は50人が限度。それ以上にはならないように調整している。
とのこと。
彼女はその本を読んだわけではなかったようですが、体感的に理解していたようで、素直に経営センスがあるな、と感心したものです。
<ローカルカルトとパワーストーンで儲ける具体的方法>
これは結構簡単です。
信者さんを作るとことが難しいといえば難しいですが、それができない人はそもそもローカルカルトなんてできませんから、そこは自分で作ってください。
既に
・パワーを感じる。
・宇宙と繋がった5次元の存在である。
とか言っていて、それを信じてくれる人がいる。この世の中を中二設定のみで生き抜いてきたある意味達人の方々であることは前提です。
あとは信者さん数名を引き連れてパワーストーンショップに連れいてきます。
そしてあーだこーだ適当な講釈をたれて出ていきます。
その後喫茶店に行き、
「わかったでしょ。同じ値段でもいい石とそうでない石があるのよ。」
「見分けられる自信がないなら私が見分けてあなたたちに渡すわよ。これで商売するわけじゃないからあの店と同じ価格でいいわ」
といえばいいわけです。
あとは同じような石を卸販売しているところに問い合わせて業者として仕入れれば、だいたい半額かそれ以下程度の値段で石を仕入れることができます。
だいたいは一回の仕入れが数万円以上というところが多いですが、それでも信者さん5人に対して一人につき月1万円分の石を仕入れて売れば、2万5000円の儲けになるわけです。
信者50人いれば、単純計算で月25万円。なんとか生活できますね。
あとはアリババとかで中国から天然石ビーズを直輸入すれば、もう少し利益率を改善できますし、真贋の区別がつかない人は、定期的に鑑別してくれる会社に送って確認すればいいだけです。
最低限の鑑別でよければ一回数千円でできます。
水晶とガラスが見分けられないレベルの人はそういうところを活用するといいでしょう。