水晶というと、一般には
なんだか高級そう
そう簡単に手に入らない
というイメージがあるかもしれません。
ですが、ちゃんとした知識を身につけておくと、実はそうではありません。
【二酸化ケイ素はありふれた物質】
水晶は二酸化ケイ素という物質が結晶したものです。
二酸化ケイ素はどこで手に入るかというと・・・・・どこでも手に入ります。
都心部では難しいかもしれませんが、田舎の方の川沿いや海沿いに行ってみると、花崗岩や玄武岩など様々な岩がみられます。
そもそも花崗岩や玄武岩の定義ってなんなのでしょう?
ざっくり言えばその岩の中に二酸化ケイ素がナンパーセントくらい含まれているかで名前が決まっております。
その中で最も二酸化ケイ素の割合が少ないのの一つが玄武岩です。
一番少ない玄武岩でも50%近くは二酸化ケイ素が含まれているのです。
Wikipediaなんかで調べてみましょう。
ってことはだいたい地表にある岩の50%以上は二酸化ケイ素でできているわけです。
それほど二酸化ケイ素とは地表にありふれた物質なのです。
【確かに綺麗な結晶は珍しいが・・・】
とはいっても、ほとんどの二酸化ケイ素の結晶は一つの大きさが顕微鏡でようやく見える程度です。
肉眼で見えるサイズの結晶になるのはなかなかに珍しいものです。
が、それは他の鉱物だって一緒です。
例えば、ダイヤモンドだって、日本には存在しないと言われておりましたが、2009年にはじめて四国でダイヤモンドが発見され、話題となりました。
とはいってもその大きさは超高性能の顕微鏡でようやく見える程度。
希少なのは手にとって、肉眼で見えるサイズなのですが、それはごく限られた量しか産出しません。
とはいっても、他のいろんな結晶(エメラルド、ルビーetc.)と比べてもともとの存在量が多い水晶。
希少とはいっても、それだけ大きく綺麗な結晶が産出する確率が高いと言えます。
【日本には産出しないか】
市場に流通している大きく綺麗な水晶の結晶は大抵がブラジル産、ヒマラヤ産、中国産で、国産のものはあまり見当たりません。
が、それは単純に鉱山における人件費の問題で、日本で掘っても採算が合わないだけです。
今後、円安になってくると、山梨の乙女鉱山あたりが復活したっておかしくはない話なのです。
ちなみに国内でも人の背丈ほどの大きさのある結晶産出例の話を聞いたことがあります。
私自身も普通に山を歩いていて拳代の結晶を見つけたことが2、3度ありますので、本気で探せばいくらでも見つかるものなのです。
【60代以上の人はなぜ知っているか】
さて、今の若い人たちは、日本はものづくり大国、もしくはサービス大国だと思っているのかもしれません。
が、以前は日本でも鉱業や林業が盛んな時期がありました。
えっ?こんなところに?というところに実は明治時代に鉱山があって、そこに鉱山鉄道が通っていたという話はたくさんあります。
あまり知る人はいないですが、京都の金閣寺のすぐ裏手にも金閣寺鉱山という名の鉱山があったとか・・・。
近くの山々の歴史を調べてみましょう。大抵いつの時代かに鉱業が行われていた形跡があるはずです。
鉱山鉄道のレールなんかが落ちてたりする場合もあります。
【バカ高い水晶玉って嘘なの?】
一方で、1つ数千万円もする水晶玉があります。
それはぼったくりなのかというとそうではありません。
たしかに他の鉱物に比べて大きく綺麗な結晶は出やすいものです。
が、直径10cmを超える大きさで、全くクラックもインクルージョンも含まれていないものはさすがにほとんどありません。
そのため、直径10cmを超える、完全に透明な水晶玉はびっくりするくらいの値段がつきます。
逆に直径10cm以下であれば、ちょっと頑張れば、そう、給料3ヶ月分費やす気概で行けば買えるくらいの価格であるものです。
というわけで、まとめますと
・水晶は基本的にどこでも手に入るものだから安い石の代表格。
・日本でも大きく綺麗な水晶はあるが、コストが合わない。
・直径10cmを超える最高級品質の水晶玉はべらぼうに高いのは仕方ない。
というお話でした。