「このパワーストーンは偽物だ」クレーム対応のお話


パワーストーン屋なんぞに勤めていると、「買ったけど偽物だった」というクレームはよく舞い込みます。
きょうはそんな小話を一つ。

ある日私のもとにコレクトコールで電話がかかってきました。
コレクトコールなんて受けたのがはじめてです。
コレクトコールとは電話をかけた人ではなく受けた人が支払う通話で、当然受け手が断ることも可能です。
まぁこの時点でかけてきた人がそうとうお怒りなのは分かりますので、とりあえず受けることにしました。

<お前のところの水晶は偽物だ>
普通クレームを受けるほど嫌なことはないものですが、実は結構偽物クレームは好きでした。
なぜなら、徹底的に戦って良いと言われていたので。
さて、今回の事例、どうやら数百円の水晶玉をおかしいと感じ、大学に見せたところ偽物だったとのこと。
まぁ全品検査してるわけじゃないですから、流通の過程で紛れ込む可能性がゼロとは言えないですが・・・・。水晶ごときの安物で偽物を作ったって意味がない。
とりあえず下手に出てお客さんのいうことを聞くことにしました。

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<だんだんと出てくる新事実>
このお客さんの場合は非常に典型的な「後から付け足し」クレームでした。
こういったクレームはお客さんの勘違いや、それこそ機嫌が悪かったとかが起点です。そのため、ちゃんと専門機関に見せた上でいう人はほんとうに少ない。
実は最初はこの人が言うには「質屋のおやじに見せたところ偽物だと言われた」とのこと。
どのような鑑別器具で見られましたか、と問うと、「触ればわかる」と言われたらしい。

「それは流石に専門の人間として言わせてもらうならば嘘ですね。その質屋を教えてもらえないでしょうか?明らかな営業妨害になりますので。」
というと今度は「大学で専門家にも見せた」とのこと。

おかしいですよね。それなら普通は大学で専門家に見せた話をまず先にするはずです。
この時点で99%嘘だと分かりましたが・・・・。

 

<こっちも嘘合戦で新事実を出してあげる>
さて、そうなればもうこちらのものです。お客さんの妄想に付き合いつつ、
「私、鉱物学会に所属しておりまして、専門家の先生はだいたい把握しております。鉱物学会の先生が仰るのであればまず間違いないと思いますので、一度確認に伺わせていただきたいです。お客様のお近くですと東京大学の◯◯先生でしょうか?」
はい、東大の◯◯先生なんて知りませんが、これで明らかにこっちのペースに持ち込めました。

<結局のところ>
小一時間話を聞いたところ、結局事実は「近くに住んでる理系の大学生に見せた」だけでした。
呆れるしかないお話ですが、人は怒りの渦中に居ると、もし自分の方に非があったとしてもそうそう認められないものです。
そういった場合は、あえて増長させてしまえば、そこに嘘を盛り込むようになります。そうなればこちらのものです。

※特に嘘合戦のところは正直褒められた方法ではありません。私のように邪悪な人以外は真似しないほうがいいでしょう。

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