鑑別書の本当の意味


パワーストーン屋をやっていた時によく聞かれるのが「この石本物ですか?」。
・・・・「あんた詐欺師に詐欺師ですかと聞くのかよ」と思いつつも「本物ですよ。」で終わらせてました。
まぁだいたいはお客さんも偽物と疑っているわけではないわけで、まぁ一種の挨拶みたいなもんです。

さて、それでもたまに真贋を非常に気にされる方がいらっしゃいます。
ただ、その中でも多くの人が間違ってるのが、「鑑別書をつけて欲しい」です。

これ、全く意味ないです。

鑑別書を書いてくれるところは幾つかあります。有名どころでは中央宝石研究所さんとか彩球宝石研究所さんなんかでしょうか。
以前は全国宝石学協会とかありましたが、ダイアモンドのグレーディングの不正問題発覚でつぶれちゃいましたね。
よく知っている方がいて、その方はダイヤモンドとは全く無関係な方面の担当でしたがとばっちりもいいところでした。

さて、それを石屋さんに頼んで、鑑別してくれるところに出してつけてもらうのは可能です。そんなに高くはないです。モノにもよりますが、数千円から一万円くらいでだいたい鑑別できます。
隕石の種類を鑑別しろとかいうと話が違ってきますが、まぁ水晶かガラスかとか、そんなんであればその程度で十分です。

が、それをその石屋に頼んでどうするよ、というのが私の意見です。

だって、そんなもの、悪意のある石屋さんであれば、本物を一個仕入れて鑑別書を書いて、お客さんに偽物と鑑別書を渡せばそれで終わりです。

石を渡して、封を切ったら絶対にわかるような仕掛けをした上で鑑別するのであればそれなりに意味はありますが、別々に渡されるのであれば全く意味がありません。

本当に気にされるのであれば、一旦買って、自分の信頼できる鑑別機関に自分で出すことです。そうしなければ全く意味がないでしょう。

では鑑別書は全く意味ないのでしょうか。
実は鑑別書は別の見方をすると有用性があります。

それは信頼できる石屋を探したい時です。

鑑別書お付けします、なんてのはさっきの理屈で全く意味がないですが、定期的に鑑別書をとってる会社さんがあればその会社はまぁ信頼していいと思います。
ある石屋さん、今も贔屓にしているところですが、雑多に積んであるビーズの横に鑑別書の束が置いてありました。

ひょっとして、と思い店主に聞いてみると、そのお店では輸入した時には必ず抜き取り検査で鑑別に出しているらしいです。

そう、これこそが品質管理というものです。
工場なんかに勤めた経験があるとわかりますが、必ず品質管理担当者か部署があります。
大量生産の場合、全数検査はむりにしても抜き取り検査はかならずやるものです。日本はそれだけ製造業には責任が大きい制度になってますので。

一方で日本の小売業はいい加減が許されてしまっております。何年か前の牛肉偽装の問題。あれを売っていたスーパーは一切咎められず、卸業者が槍玉に挙げられてました。
そりゃぁ卸業者が悪いのは間違いないのですが、実際それを売る者として、そんなことすら見抜けなかった小売業者に責任はないのかという気もします。
まぁそれが実際に難しいから、製造業に責任が重くなっているわけですが。

兎にも角にもそんな構造だから、小売業者は品質管理という点でアマチュアが多い。品質を売りにしてるのに、自分の知識と経験だけに頼って自分の仕入れた者を疑おうとすらしない石屋の多いこと。
そんな中で、常に自社の製品を疑いつつ品質管理をしているお店があれば、それは信頼に足る店です。

一度聞いてみるといいでしょう。「品質管理はどうなされてますか?」と。

鑑別書がでてきたとしても、それが1年前の日付だったりしたら「その程度か」と思ってあげるといいと思います。

[feather_share]



カテゴリー未分類

コメントを残す