石の色は変わりませんと断言する理由


パワーストーン屋をやっているとよくこの話があります。年に数回はありますね。

石の色が変わることがあるかといえば、それは普通にあります。原因は主に3つあります。

・汗とかの体液と反応
マラカイトとかインカローズとかラピスラズリとか、その辺によく起きる現象ですね。
この辺りの石でブレスやらネックレスをする人は使い終わった後は綺麗に拭き取るなどメンテナンスしましょう。

・油や水の浸透
これはクラック水晶というクラックを入れたものによくある現象です。
水晶の中に全然屈折率の違う空気が入ることであのキラキラ感が出るわけですが、その中に汗とか水とかそれなりに屈折率の高いものが入るとそのクラックは目立たなくなります。

・紫外線による変質
変質という言葉は語弊がありますが、まぁ面倒なので細かいことは放っておきます。
紫水晶なんかは紫外線に晒さないほうがいい石の代表ですね。紫水晶を日の当たる窓際なんかに置いている店があったら注意しておいたほうがいいです。

この辺が有名どころですが、それ以外にもいろいろと変色する可能性がある要因はあります。あり得ますといったほうがより正しいでしょう。

おい、言ってること違うじゃないかと思うでしょう。
しかし、なぜか「石の色が変わった」とおっしゃるお客様がこれで納得されたことはほとんどありません。
それはすでにお客さんの中に求めている答えがあるからです。
なにか悪いものを吸い取った、危険を知らせてくれてる、そういう答えが欲しくて、あとは専門家としてのお墨付きが欲しいのです。

ただ、専門家としての意見を求められる以上、嘘を言うのは沽券にかかわりますから正直にこれは酸化被膜ですよとか言わざるを得ないわけです。
そしてだいたい首を傾げながらお店をあとにされます。

そんなの「なにか悪いもの吸い取ってくれたんでしょーね。」とか言っておけばいいんでしょう。
ですが、これは非常に危険なことなのです。

かの悪名高い「水からの伝言」をご存知の方も多いかと思います。
水の入った容器に「ありがとう」という紙を貼って凍らせると綺麗に結晶し、「ばかやろう」と書いた紙を貼るって凍らせると綺麗に結晶しないというあのとんでもなお話です。
このお話にはいろんな批判があります。「(死んでくれて)ありがとう」と「ばかやろう(心配かけさせやがって)」とどっちが美しい情景が浮かぶかといえば後者だろ、とかですね。
でもこれのタチが悪いのはそんなことではありません。一番の問題は理屈がその問題の本質ではない科学に押し付けられてしまう点にあります。これは社会にとって非常に危険です。
例えばこれも昔よく言われた話ですが、「同じ種の生物を殺すのは人間だけだ、人間は愚かだ」という先生がいました。小学生の私は素直にそうなんだなぁと思い動物に少し敬意を払うようになったところはあると思います。小学生の特に低学年くらいは残酷なもんで、よく昆虫やらおたまじゃくしを惨殺してましたので、私にはいい風にしか作用しませんでした。幸運なことに。
しかし、よくよく調べてみると同種同士の殺し合いなんていくらでもあるわけです。そうなってしまうと今度は「なんだ、どの生物も一緒じゃん」ではなく「ああそうなんだ、人間を殺してもいいんだ」になってしまうんです。
その理由は簡単。人間を殺してはダメなのに本来理由なんかないからです。それはもう頭ごなしにダメだからです。なのにそれを科学的にと言ってそれに理屈をつけてしまうから、理屈が覆された時に破綻してしまいます。

さて、さらに厄介なのは、人の記憶なんて自分の好きなように簡単に書き換えられてしまうということです。私が「科学的にはこういう理屈で変色する場合がありますよ」といっても、思い込みが強ければいつの間にか「石の色が変わることがあると科学者が言っていた」になり、そのうち「石の色が変わることは現象としては確認されているが、科学では証明されていない」になります。そこまで重症な人は多くはないですが、数パーセントは確実にいます。
そういう人が石の色が変わるのを体験した「霊的な体験者」としてちやほやされているうちに、「邪気を吸い取ったのでお祓いしなきゃ。たった10万円でお祓いできるなら安いもの」となってしまうのです。
私だって多感な時期の黒歴史はなかったことにしてます。たまにフラッシュバックして悶えますがね。それが常に鮮明に思い出されてしまっては今頃自殺してるでしょう。都合のいいように記憶を書き換えるのも生存本能のなせる技なんだと思います。

というわけでそういうことを防ぐには、汗とか明らかに明快な理由で変色しているのは除いて「石の色は変わりません、以上」と言うのが本来正しい答えだと思います。

ただ、それで科学でも証明されていないことを体験した気になってしたり顔をした人が多く稼いでいるのも、悲しいことに事実です。
ただ、望まれているから供給する、それだけでいいのであれば結婚詐欺師だって立派に夢を売る商売です。まぁこの業界から弾かれた負け犬の遠吠えですがね。

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