まずは科学者のお話。
多くの科学者は「断言」を避けます。なぜなら断見するということはその可能性が100%であり、そうでない可能性が0%だからです。
一度気が狂うほど勉強してみるとわかりますが(まぁそうでなくてもわかるとは思いますが)、勉強ってのはすればするほど自分が如何に無知であるかが理解できてしまいます。
だからこそ畏れをもって断言しないわけです。
しかし、教授レベルになると断言する人が増えてきます。それは十分にその分野を理解したという点もありますが、誰かが断言しなければ先に進まないからです。教授レベルになると学問ではなく「政治力」が要求されます。
例えば原発問題。間違っている可能性が0.3%くらいはあるなぁと思ってても、そんな可能性はないと断言しなければ誰も動けなくなって尋常ではない人命が失われる可能性がでてきます。
当然その0.3%に当たった時は目も当てられないことになりますが、仕方ないといえば仕方ない部分はあります。
さてシトリンのお話。
たしかに、シトリンといえば淡い黄色というイメージでしたが、近年どきつい黄色のものが増えてきたように感じます。
それらはおそらく加熱等によるものであるのは間違いないでしょう。
そういうわけで色で見分けられるというのは、そこそこ正しいです。ただその正しさは科学者の判断基準よりもゆるゆるで、70%くらいはといったところでしょう。
70%というのも私の感覚値ですからたいした根拠はないですが。
しかし、色が濃いから確実に人工加熱というのは間違いです。
それは結構簡単に実証できます。
ホームセンターでガスバーナーを買ってきて紫水晶をあぶってみましょう。
急激な温度差で割れて弾け飛びますので周囲への注意やメガネによる目の保護は必須です。
そうすると明らかに黄色くなるものが見受けられます。
しかし、それはだいたい淡い黄色です。
色で見分けられるという方々に濃いシトリンとそのシトリンを並べてどっちが天然?と聞くと絶対にバーナーで炙った方を天然と言うでしょう。
色は温度、加熱時間によっていろいろと変わってきます。
紫水晶の場合、それをうまく制御すると緑色にもできたりします。それがプラシオライトですね。
黄色の具合だってそうです。
おそらく最近、濃い黄色を出す温度、時間の条件がわかってきたのでしょう。
しかし、色が濃いから偽物だというのであればそれをすり抜けるのは簡単です。薄い黄色になる温度、時間条件で加熱すればいいだけです。
シトリンに限らず、よほどヘタなものでない限り、色で見分けるのはできないと思った方がいいです。
色で真贋を見分けられると断言する人は一度血尿が出るくらいに勉強してみることをお勧めします。
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