パワーストーン業界に長く居て、私もショッピングセンターや路面店などの出店に立ち会ってきましたし、悔しいことに撤退せざるを得ない店も経験しました。
その中で言えることが幾つかあります。これは石や業界の闇というよりは運営してて感じたことですので経営全般にいえることかもしれません。
【情報に投資しない人たち:モノがいいから売れるは驕りでしかない】
ある上司についていた時の話ですが、それはまぁケチなお方で、というかそもそもその会社自体に店に投資をするという概念がないために、そもそも制度も経験もなかったんです。
「いいものを売ってればいずれお客さんはついてくる」という売り方でしたので、google adwordsはもちろんのこと、チラシすらろくに打ったことはありませんでした。ショッピングセンターの場合は事務所がチラシの画像を出せと言ってきますので多少は出しますが、路面店なんかはそれがないから一切広告無し。
また、パッケージはそれはもう貧相な箱に入れてました。違いの分かるお客さんからは好評です。そういう人はパッケージ代が意外に高いのを知ってるから。でもそんなディープなお客さんは稀です。
店の什器もそう。なんなら前に入っていたラーメン屋のテーブルをそのまま使ったりする。
確かに違いの分かる人にとってはいい店ですが、お客さんはパワーストーンだけを欲しい訳じゃないんです。その雰囲気、匂い、光、それが調和した中で買ってこそ「パワー」を感じるわけです。
いいものを売っていればいずれお客さんはついてきてくれるでしょう。ただ、それは人間の一生が1万年位あればの話です。せいぜい80年しか生きない我々はそんな真理の中に生きてません。だから手っ取り早くそういう気にさせる「情報」にお金をかける必要があるのです。
原価100円の石を100個売るなら、それを高く魅せるための雰囲気作り、広告、その他に1万円くらいかけるべきでしょう。それで価格が倍になるならばそれでいいのです。1:1が正しいのかどうかはわかりませんが、少なくともストーンマーケットさんなんかはやはり業界の覇者だけあってその辺のバランス感覚が上手いなあと思います。
【在庫管理しない人たち:税務署スルーな体質】
石屋の在庫管理ははっきり言ってザルです。税務署の皆さん、よろしくおねがいしますね。もう一度いいます。ザルです。
電器屋さんだったらそうはいきません。なにせ一個一個で管理できてしまいますし、同じメーカーの同じ炊飯器は同じ原価だと分かります。
しかし、特に原石の方なんか、水晶何トンでいくらの世界です。しかも品質によって価格は一個一個変えられます。
税務署が立ち入りして、こんなに在庫があるじゃないか、といったトコロで、いや、これは品質悪いですからゴミですよといえば確かめるのが困難になります。そんなんだから税務署をナメきってる会社があるのは事実です。まぁ会社名はあえて言いませんがよろしくおねがいしますね。税務署さん。
さて、脱税はそれはそれで大問題なんですが、そういう姿勢だと、だいたい在庫管理はやらないです。ざっくりすらやらないです。人間、適度にやるなんてことはたいていできません。きっちりやるか全くやらないかのどちらかです。
どんなに才覚のある社長さんでも、会社が大きくなるほど全量を把握するのはできなくなります。そこで社長さんすら忘れていた不良在庫が1種類でも出てくると、それが足かせになって次の仕入れに使えるお金が減ってい行きます。あとはもうおわかりですね。
たかが在庫されど在庫です。在庫管理ができずに潰れていった会社のなんと多いことか。たったそれだけのことで経営を圧迫されているつまんない会社が多いのもまた事実です。
とはいっても私がその辺の事情をよく知っているのは2社だけですが、そこそこの店舗数のある2社ですので、まぁどこも似たり寄ったりかなぁと。
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